歯の喪失と入れ歯の不具合を招くものとは?

睡眠中の歯ぎしりよりすごい

岡山大学の研究グループは、日中に無意識に行っているかみしめが歯の喪失と歯並びの崩壊に関わっていることを明らかにした。

(画像はプレスリリースより)

これまで、睡眠中の歯ぎしり(ブラキシズム)が歯のすり減りの原因で、歯の寿命にも関係していると考えられてきた。一方、日中に無意識にするかみしめについては気づいていない人が大部分で、この昼間のかみしめと歯の喪失の関わりはわからなかった。

今回、世界で初めて、昼間の特殊なかみしめが歯の喪失を進め、義歯の不具合を生じることを発見した。

予防歯科に影響

研究グループは、歯を喪失した人の中で入れ歯に不調がある人の場合、睡眠中に比べて昼間の無意識かみしめが明らかに多いことをつきとめた。

さらに、咬筋(かみしめる筋肉)の働きを昼夜を通じて高精度の筋電計で解析したところ、特に中程度の力で「グッグッグッ」と周期的に力を入れた1~2Hzの周期的収縮に注目。これが歯の喪失と歯並びの崩壊に深く関わっていることを実証した。

歯を失う要因といえば、虫歯、歯周病が挙げられ、それぞれの治療が重視されてきた。しかし、治療をしているのに歯は失われ、入れ歯でも痛みを生じることがある。

日中のかみしめが歯の喪失に関与することを示した知見によって、入れ歯や顎関節症の治療が進歩すると期待される。また、予防歯科学への影響も大きいと考えられている。

▼外部リンク

岡山大学プレスリリース
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id222.html