岩手医科大学の研究
慢性歯周病の原因菌は「Red complex species」が、侵襲性歯周病の原因菌はアグレガチバクター・アクチノミセテムコミタンスが主となっています。
(画像はイメージです)
歯周病にかかっていない小児のプラークから上記の菌を検出することは周知です。
そこで、岩手医科大学のグループは歯周病原性細菌の母子感染の関連性について検討する目的で327名の小児プラークの「Red complex species」とアグレガチバクター・アクチノミセテムコミタンスの感染および母親のプラークへの関連性について検討しました。
研究方法
インフォームドコンセントの得た上で、小児とその母親よりプラークを採取して、母親から小児へ細菌感染を確認するためにDNAの精製を行いました。菌種の同定は菌種特異的PCRを使用。
結果
アグレガチバクター・アクチノミセテムコミタンスが母子両群ともに最も高い検出率を示し、小児の年齢が高くなるに従って、検出率は高くなりました。
小児のプラークの感染菌が母親で検出したのは「Red complex species」の一部で、最も高いもので小児陽性例43人中、母親17人でした。
まとめ
小児のプラーク中に歯周病原性細菌を検出しましたが、陽性例のうち母親のプラークから検出した歯周病原性菌と一致した割合は低く、年齢の変化を考えても、垂直母子感染が起こる可能性はほとんどありません。
小児のプラークはから歯周病原性細菌を検出したことからプラークを除去することは歯周病予防にも大切である可能性を示しました。
▼外部リンク
岩手医科大学 文献抄録
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009767213