古人骨から「虫歯」痕

農業時代以前にも虫歯

自然史美術館の科学者らは1日、長い間認識されていた歯科疾患は農業に関連しているという見解が異なることを発見したと発表した。

(古人骨の歯髄腔痕――プレスリリースより)

以前の研究で歯髄腔は農業の発展に関連していることが発見されていたが、自然史美術館とオクスフォード大学の科学者による今回の研究結果によると、歯科疾患は狩猟採集時代にも存在したことが発見された。

歯髄腔、歯の半分以上に

研究ではモロッコのタフォラルトで発見された古人骨の歯52セットを検査した。歯は1万3千7百年から1万5千年前までのもので、ほとんどの古人骨は残存する歯の半分以上に歯髄腔を患っており、たった3つの骸骨のみが健康な歯をもっていた。

科学者らは化石の発掘現場から土壌サンプルを採取し、椎の実や松の実のようないくつかの炭化したでんぷん質の食物の残骸を発見した。研究チームはこのでんぷん質の食べ物が虫歯の原因になったのではないかと疑っている。

「古人骨はほとんどが虫歯や膿瘍を患っていました。彼らは頻繁な歯の痛みに苦しんでいたでしょう」(自然史美術館館員 イザベル・デ・グルート――プレスリリースより)

▼外部リンク

A diet rich in starchy foods may have led to high rates of tooth decay in ancient hunter-gatherers, says a new study published in PNAS today.
http://media.nhm.ac.uk/Press-releases/