推測されたよりも数千年早い虫歯の起源
英研究チームが中心となって発表し、Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)に掲載された論文によると、約1万5千年前に北アフリカに住んでいた狩猟採集民は、すでに虫歯を患っていたことがわかった。
虫歯の原因は、当時の食料であった木の実やどんぐりだという。木の実に含まれる発酵した炭水化物が虫歯や口臭の原因になっていた。
人の歯の悩みは、加工食品が広く普及しだした約1万年前の後期農耕文化から始まったと考えられていたため、推測されていたよりも数千年早い時期から、人類は歯痛に悩まされていた可能性を示している。
(写真はイメージです)
遺跡から発見された成人の歯の約51%に虫歯の痕跡
同研究は、モロッコにあるTaforalt洞窟で見つかった穴だらけの歯数十本を対象に行われた。その結果、この地に住んでいた狩猟採集民は、木の実を収穫し保存していたという証拠が示された。
成人の歯の51%に虫歯などの歯の病気が認められ、その数は一般的な狩猟採集民に見られる虫歯の割合(0~14%)よりはるかに多く、先史時代(文献的史料の存在しない時代)の農耕民の水準にかなり近いという。
研究チームは、歯痛に悩まされていた人の数は非常に多かったはずと指摘した。論文の共著者、英リバプール・ジョン・ムアーズ大学のイザベル・デグルート(Isabelle DeGroote)氏は、
多くの人は虫歯と歯槽膿漏の両方を患っていたはずで、歯痛や口臭に悩まされることが頻繁にあっただろう
と考えている。
▼外部リンク
NBC NEWS HEALTH
http://www.nbcnews.com/health/carb