科学者が作った「虫歯にならない!」キャンディー

「虫歯にならない!」キャンディーを開発!

ドイツのバイオテクノロジー企業オルガノ・バランス(ベルリン)の科学者たちにより、「虫歯にならない」新しいキャンディーが開発された。

(この画像はイメージです)

虫歯の原因は、甘いものを食べた後、ハミガキをした後に落としきれなかったバクテリア菌が残り、それが歯の表面のエナメル質を溶かすためである。

ここに注目したオルガノ・バランス社の科学者チームたちは、「キャンディーに含まれるバクテリア菌を減らせば、虫歯はできにくくなる!」という単純な論理から、新しいタイプのキャンディーの開発に取り組んだという。

バクテリア菌を殺す乳酸菌入りキャンディー

虫歯を引き起こすのは、だ液に含まれている細菌のうち、歯のエナメル質を溶かし、歯の内部に空洞を作る可能性が最も高いバクテリア菌(ミュータンス連鎖球菌)とのこと。

このミュータンス連鎖球菌を抑える効果のある糖分、L. パラカゼイをキャンディーの表面に加工することで、L. パラカゼイがだ液に含まれるミュータンス連鎖球菌と結合し、歯にミュータンス連鎖球菌が再び付着するのを防ぐという。

そして科学者チームは、歯への付着能力が低い乳酸菌の働きを利用し、虫歯を引き起こすバクテリアを殺すL. パラカゼイを含む乳酸菌入りキャンディーを開発することに成功した。

新しいキャンディーの効果を確かめるため、科学者チームは60人のボランティアを集めて実験を実施した。

方法は、集めたボランティア60人を20人ずつのグループ3つに分け、最初の20人に乳酸菌を1㎎含んだキャンディーを、次の20人には乳酸菌を2mg含んだキャンディーを、残りの20人には乳酸菌がまったく含まれていない普通のキャンディーを、1日半の間に5粒食べてもらうことにした。

その結果、乳酸菌入りキャンディーを食べた最初の2グループ40人の歯に付着しているバクテリアの量は、最後の普通のキャンディーを食べた20人に比べて明らかに少なかったという。

また、この乳酸菌は、口内に常住する良い菌は破壊しない、ということも分かったとのこと。

同社ではまだ商品化には至っていないが、もし発売されたら、子供たちに最適なキャンディーとして、人気になるに違いないであろう。

そして「甘いもの、特にキャンディーは虫歯になりやすいので、食べ過ぎないように」と歯医者にいわれたものだが、そんな話は過去のものになる時代が訪れるのも近いかもしれない。

▼外部リンク

メディカルエクスプレス(英文サイト)
Scientists create candy that’s good for teeth
http://medicalxpress.com/news/