花王株式会社のMKニュースによれば、厚生労働省が6年ごとに行っている歯科疾患実態調査の平成23年度の結果では、歯周病と診断されるさまざまな症状が認められる人が、35歳以上では8割以上にものぼることが判明。
そもそも歯周病とは、「歯肉炎」と「歯周炎」の両疾患の総称を指す。歯肉炎はいわゆる歯ぐきの炎症で、これを放置し、ダメージが進行すると歯槽骨が溶け始める。これが歯周炎の状態であり、最悪の場合には抜歯、インプラントという流れになってしまう。
しかも、歯周病患者のインプラント治療は成功率が低いという研究結果もあり、せっかく施したインプラント周囲にもまた炎症が起きてしまうという危険性が指摘される。そのためにも、歯ぐきのケアを習慣化させる必要がある。そして、その方法として注目されるのが「歯ぐきマッサージ」だ。
神奈川歯科大学の山本龍生准教授によれば、過去にも歯ぐきマッサージが注目されたことがあったが、その作用や効果を検証できるデータがなかったために定着しなかったとのこと。その後の研究から、歯石・歯垢除去に加えて歯ぐきマッサージを行うことにより、歯肉の細胞を活性化させ、歯周病を予防することができるという結果を得た。
推奨される歯ぐきマッサージの方法とは、200g程度の力(消しゴムで文字を消すくらいの圧)で、歯肉を1カ所10~20秒ほどマッサージすること。それにより歯ぐきの細胞の生まれ変わりを促進させ、歯肉炎や出血等の症状を改善させる効果が得られるという。
年齢を重ねるに従って、口腔内の環境に対するケア意識も高めていかなければならない。日ごろの手入れに歯ぐきマッサージという新習慣を取り入れて、見た目にも機能的にも健康な歯と歯ぐきを手に入れたいものだ。
▼外部リンク
News2u.net
http://www.news2u.net/releases/117546
花王株式会社 ディープクリーン
http://www.kao.co.jp/deepclean/?cid=HE_news2u_131101TOP