ソリッドワークス・ジャパン株式会社は10月28日に、同社が提供する3D CADソフト「SolidWorks Premium」が、大阪大学大学院歯学研究科 歯科理工学教室が行う歯科用インプラントの研究で活用されている、と発表した。
同教室は、歯学におけるバイオメカニクス（生体工学）分野では世界最先端の研究をしており、インプラントのための新材料、新技術の開発も行っている
また、研究の一環として、インプラントにおいて問題となる「骨吸収」に取り組んでいる。この「骨吸収」とは、インプラントを行った歯根の周りの骨がやせてしまう現象のことで、この現象が起こるとインプラントが不安定になり、抜けてしまうことがある。
インプラントは、なくなった歯根の代わりに金属製の装置を埋め込むが、それが周囲の骨と結合することにより、上部の人工の歯が安定する。
しかし、「骨吸収」により周囲の骨がやせると、結合が弱くなり、インプラントが不安定になってしまう。そのため、この現象を理解し、対処することが治療においては重要と言える。
しかし、従来の2次元解析では、非常に簡略化したインプラントのモデルしか利用できず、現実のインプラントの研究には十分でなかった。
そこで、同社が提供する「SolidWorks Premium」を利用し、3次元のモデルを作成し研究を進めた。すると、インプラントにかかる力の度合いや歪みを目に見える形で解析することができ、インプラントのデザインによって違いが出ることを確かめることができた。
さらに、どのようなデザインがインプラントにかかる負荷を軽減し、「骨吸収」を起こりにくくするかを検証できるようになった。それによって、より安定した、患者のためになるインプラントデザインを提供できるようになることが期待される。
▼外部リンク
ソリッドワークス・ジャパン株式会社 プレスリリース
http://www.solidworks.co.jp/sw/
