歯磨き粉に「ガラス玉」?
虫歯と知覚過敏に効果的な小さなガラス玉が含まれた歯磨き粉が開発された。
髪の毛よりも細いこのガラス玉は、歯のエナメル質の重要な成分であるカルシウムとリン酸塩を含んでいて、詰め物の治療を受けるほどではない、軽度の虫歯の修復を目的として開発された。
また、この物質は虫歯に対処するだけではなく、エナメル質がすり減って象牙質がむき出しになったことによる、知覚過敏の問題も減らすことができるという。
(画像はイメージ)
3時間以内に歯の表面を修復
このカルシウムリン酸塩ガラスから作られた球状の物質は、ロンドン大学クイーン・メアリーの科学者たちによって開発された。
ガラス玉が含まれた歯磨き粉を使うと、ダメージを受けて弱っていたエナメル質や歯茎が歯から離れ始めている部分を埋める。すると口内の水分に溶け出して、カルシウムとリン酸塩が浸出していくようになっている。
初期の試験では3時間以内に新たな歯の表面を構成し、8時間以内に玉が完全に溶け出したという。
2年以内の実用化を目指す
既にガラスの分子を配合した歯磨き粉は発売されているが、今回のカルシウムとリン酸塩も配合している場合だと8倍の速さで溶け出すことができ、より速く歯の表面を修復することができる。
この技術は2年以内の商品化を目指しているとのこと。最先端で手軽にできる虫歯の治療が、早く一般的に広まるのを期待したい。
▼外部リンク
RESEARCH INTO DEGRADABLE PARTICLES TO REDUCE TOOTH DECAY WINS AWARD
http://www.qmul.ac.uk/