東北大学、歯の矯正治療期間を短縮するメカニズムを解明

矯正治療のメカニズムを解明

東北大学大学院歯学研究科の研究グループは3月23日、モデルマウスを用いて歯の移動を促進させる矯正治療のメカニズムを解明したと発表した。

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微小な穴が歯の移動を促進

歯の矯正治療の問題点は治療期間が長いことであり、期間の短縮は重要な課題である。治療期間の短縮は矯正歯科治療の材料改良によりなされているが、生体をコントロールすることによりさらなる短縮が望まれる。

歯槽骨に微小の穴を開けるとその治癒作用により組織の代謝作用が促進することが知られている。炎症を誘発する代表的なサイトカインTNF-αは、歯の移動時に破骨細胞を誘導し、歯の移動を促進していると考えられている。

研究グループは、モデルマウスの歯槽骨に直径0.5mmのスチールバーで微小な穴を開け、臼歯と切歯にコイルスプリングを装着し、臼歯の近心移動を12日間行い移動量を評価した。

組織学的解析と生化学的解析を行った結果、マウスの歯槽骨に微小な穴を開けることで、炎症性サイトカインTNF-αを増加させ、増加したTNF-αは破骨細胞を増加させ、骨の吸収を増加させることにより歯の移動が促進されることを見出した。

この結果、歯槽骨に微小な穴を開ける方法は歯の移動を加速させるため、矯正治療の期間短縮に役立つとのこと。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

東北大学のプレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/press

別掲
http://www.tohoku.ac.jp/pdf