国立大学法人滋賀医科大学とサンスター株式会社は10月14日、年代ごとに血糖コントロール指標と歯の本数の関係を分析した結果、30代以上ではヘモグロビンA1c(HbA1c)値や空腹時血糖値が高いほど歯の本数が少ない、糖尿病予備群でも正常値群より歯数が少ないことを明らかにしたと発表した。
また、高血糖と喫煙条件が重なると歯の喪失リスクが高まることを明らかにした。
研究成果は、8月28日Diabetology international誌にオンライン公開され、第63回秋季日本歯周病学会学術大会にて発表された。
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口腔環境と全身の健康状態は大きく関係しており、特に糖尿病は歯周病の発症や重症化を促進し歯の喪失リスクを高めている。しかし、血糖コントロールと歯の本数との関連性についての年代別大規模研究はなかった。
研究グループは、診療報酬明細書と健康保険組合の定期健康診断結果のデータベースから、血糖コントロール指標と歯の本数の関係を年代別に検証し、さらに高血糖と喫煙条件が単独または重複する場合のリスクを検証した。
30代以上の各年代ではHbA1cや空腹時血糖値が高い群ほど歯の本数が少ない、中年期(40-60代)では糖尿病型(空腹時血糖値;126mg/dl以上)と糖尿病予備群(空腹時血糖境界型;110-125mg/dl)が正常血糖群より歯の本数が少ないことが判明した。
中年期(40-59歳)では、HbA1cや空腹時血糖値が高い高血糖群と喫煙の条件がそれぞれ単独で該当する群は、正常血糖と喫煙のない群より歯の本数が24未満になるリスクが高い。高血糖+喫煙、糖尿病予備群+喫煙、糖尿病型+喫煙の群では、さらにリスクが高いことが分かった。
糖尿病や糖尿病予備群の人は、生活習慣を改善するとともに、歯の喪失を防ぐため歯科検診を受け歯周病・う蝕の予防や治療を行なうことが重要とのこと。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
サンスター株式会社のプレスリリース
https://www.sunstar.com/20211014/