高齢者の体重減少の有無を追跡研究
東北大学は7月12日、65歳以上の高齢者を対象とした2010年から2013年時点までの間の『10%以上の体重減少』の有無についての追跡研究を行いその結果を発表した。
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入れ歯などが体重減少リスクを大幅低下
高齢者においては体重減少と死亡リスクの上昇と関連があり、体重減少は健康問題の重要な1つの因子である。ヨーロッパ臨床栄養代謝学会では、10%以上の体重減少は高齢者の低栄養状態を示す指標の1つとしている。
研究グループは、要介護状態にない地域在住高齢者53,690人を対象に2010年から2013年時点までの3年間における『10%以上の体重減少』の有無についての追跡研究を行った。
歯を失うと咀嚼機能など口腔機能の低下により、栄養摂取が妨げられ栄養状態に影響する。そこで、歯の本数が『20本以上』と比較した『19本以下』の体重減少リスクを、『義歯・ブリッジの使用の有無』別に算出した。
全対象者のうち、10%以上体重が減少した人は5.8%だった。歯の本数別では、20本以上の人は4.3%、19本以下の人は6.8%であった。
また、19本以下の人における10%以上の体重減少リスクは、義歯・ブリッジの未使用者は約1.41倍、義歯・ブリッジの使用者は約1.26倍となり、義歯・ブリッジ使用者は19本以下の人でも体重減少リスクが約37.3%減少することが分かった。
この結果、歯数が少ない人でも義歯・ブリッジ等の歯科治療を受けることで、体重減少のリスクを大幅に低下できることが分かった。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
東北大学のプレスリリース
https://www.tohoku.ac.jp/