ライオン株式会社は6月24日、歯周病予防の有効成分である生薬オウバクエキスが破骨細胞の形成を抑制することを確認したと発表した。
同研究成果は、2020年4月「第98回国際歯科研究学会(International Association for Dental Research IADR)」において誌上発表済み。また、2020年7月「第63回春季日本歯周病学会学術大会」にても誌上発表する予定とのこと。
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歯周病予防では、主に歯肉に着目し、歯茎の腫れを抑える抗炎症成分や歯周病菌の殺菌成分を配合したオーラルケアが行われている。
しかし、歯周病の進行により過剰な歯槽骨の吸収が生じ、さらに歯が喪失するのであるが、歯周病予防成分による歯槽骨吸収に関する研究がほとんどない。
ライオンの研究グループは、歯周病予防成分の1つであるオウバクエキスに着目し、歯槽骨吸収に関与する破骨細胞の形成について検証した。破骨細胞の形成抑制効果は、すでにオウバクエキス中のベルベリン塩酸塩に報告があるため、比較検討した。
実験においては、市販の破骨前駆細胞をRANKL・MCSFにより分化誘導し、オウバクエキス添加群、ベルベリン塩酸塩添加群、コントロール(非添加)群の3群について、多核TRAP陽性細胞数を計測した。
コントロール群では破骨細胞の形成が促進されたが、オウバクエキス添加群とベルベリン塩酸塩添加群では顕著な破骨細胞の形成抑制効果を確認した。同結果より、オウバクエキスには、従来の抗炎症作用に加え歯槽骨吸収に関与する破骨細胞の形成抑制作用があることが発見された。
今後は、歯肉ばかりでなく歯周組織全体に着目した新たな歯周病予防のアプローチが必要となる。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
ライオン株式会社のニュースリリース
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