世界初の発見!アルツハイマー型認知症誘引成分が歯周病の歯茎で産生

ヒトの歯周病の歯茎で脳内老人斑成分が産生

九州大学は11月14日、同大研究グループと中国吉林大学研究グループとの共同研究において、ヒトの歯周病の歯茎と歯周病原因菌(ジンジバリス菌、Pg菌)を全身に慢性投与したマウスの肝臓で、脳内老人斑成分(アミロイドβ、Aβ)が産生されていることを世界で初めて発見した、と発表した。

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カテプシンBの制御で認知症の発症・進行を遅くさせる

アルツハイマー型認知症の脳内では、脳内炎症と蓄積したアミロイドβ(Aβ)老人斑との相互作用による認知機能の低下、および慢性全身炎症による脳内炎症で認知機能低下が促進すると考えられている。

欧米の研究では、重度の歯周病患者の認知機能低下が報告され、アルツハイマー型認知症患者の脳内に歯周病原因菌Pg菌成分が検出された。Aβ老人斑は、アルツハイマー型認知症の特異的な脳内病態で、脳内で産生・蓄積すると考えられいた。

研究グループは、ヒト歯周組織を用いた解析により、老人斑主成分であるAβが歯周病患者の歯周組織のマクロファージに局在していることを発見した。

また、Pg菌を3週間腹内投与した中年マウスの解析では、肝臓のマクロファージに、Aβの産生を発見した。さらに肝臓を解析すると、Aβ産生酵素(カテプシンB)を著しく増大させることが判明した。

今回の発見により、カテプシンBを制御することにより、歯周病によるアルツハイマー型認知症の発症および進行を遅くさせる可能性があるとのこと。

同研究成果は、11月12日国際学術誌のオンラインジャーナル「Journal of Alzheimer’s Disease」に掲載された。

(画像は九州大学のHPより)

▼外部リンク

九州大学のプレスリリース
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/396

別掲
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/37543/19_11_14_01.pdf