三井化学が3Dプリンターの入れ歯へ、米国企業の株式取得

三井化学が3Dプリンターを使った歯科材料事業に着手開始

歯科の材料事業を展開する三井化学(社長:田中稔一)は、6月20日に、3Dプリンターを使って精密な入れ歯や歯科矯正を可能にする事業を行って話題となっていた米国DENTCA社の発行済株式50.01%を取得したと発表した。

世界的な高齢化と新興国での需要増に対応

これは同社の中期計画におけるヘルスケア事業を拡大する方針に基づくもので4月に行ったドイツのHeraeus社の歯科材料事業買収の決定につづくものとなった。

三井化学では、今後も、世界的な高齢化と新興国の所得上昇によって、こうした歯科部門の需要が拡大していくと想定している。

三井化学の技術と3D技術の結合で新しい入れ歯を

今回の株式取得によって、三井化学は、同社が培ってきた歯科材料の技術と、DENTCA社のCAD/CAMシステム※並びに3Dプリンターを用いた入れ歯(以下「デンチャー」)の設計技術を、結びつけることによって、精密で使いやすい入れ歯を求めるユーザーの期待にいっそう応えることができるとする。

同時に歯科医師や歯科技工士に支持される高機能デンチャーをつくり、全世界にむけても事業展開をすすめようとするもの。

また、このデンチャー事業では、豊富なデンチャー関連材料を扱っているドイツのHeraeus社の歯科材料事業と連携もすすめていく方針だ。

ひとりひとりにあった入れ歯の普及を期待したい

3Dプリンターは、特注品や個別性の高い製品を作成する時に、その性能をいかんなく発揮するものであり、歯科分野において、一人一人の口腔内にあった品質の高い入れ歯や矯正器具が普及していくことを期待したい。

※ CAD/CAMシステム:コンピューターによる設計・製造を行う統合システム。

▼外部リンク

三井化学
http://jp.mitsuichem.com/release/2013/2013_0621.htm