消毒液の匂い、キーンというドリルの音に麻酔の注射。「歯科恐怖症」の人や、そこまでいかなくても何となく歯医者は怖いと感じている大人は多いだろう。近い将来、恐怖心を煽るドリルなどによる治療が必要なくなるかもしれない。
科学者たちが新たに「虫歯のない歯」を実現する働きのある分子を発見した。イェール大学のJosé Córdobaとチリ・Universidad de SantiagoのErich Astudilloが発見し、「Keep 32（ヒトの歯は上下合わせて32本、その32本の歯を守るという意味）」と命名した。
連鎖球菌の一種で口内にも存在し、歯の周りに残った砂糖を酸へと変化させてエナメル質を侵食して虫歯へと導いていくミュータンス菌は人間にとっては嫌な細菌だ。今回見つかった「Keep 32」は、虫歯の原因になるこのミュータンス菌を短い時間で殺す働きを持っているのである。その時間わずか1分以内。さらに数時間は菌が再発生するのを防いでくれるというから驚きだ。
さらに嬉しいのはこの「Keep 32」は、歯磨き粉やマウスウォッシュなど多くのデンタルケア製品にすることができること。なんとキャンディーやチューインガムでも何でも大丈夫とのことだ。
2005年から続けられてきたこの研究は、米国での安全性試験を突破したあとで特許の取得が考えられていて、14か月から18か月以内での製品化を目指しているとのこと。
▼外部リンク
Scientists Create Molecule to Make Teeth Cavityproof
http://gizmodo.com/5924447/
Científicos chilenos patentan molécula que elimina las caries（スペイン語）
http://www.df.cl/
