ライオン、パパ・ママのむし歯や歯周病が乳幼児の口腔細菌叢の形成に深く影響

父母の口腔環境が乳幼児の口腔環境に深い影響を与える

ライオン株式会社は6月7日、乳幼児と両親の口腔細菌叢を次世代シークエンサーにより解析し、乳幼児の口腔環境が共同生活する父母の口腔環境に深い影響を受けている、と発表した。

次世代シークエンサーとは、細菌叢から抽出したDNA配列を網羅的に決定し、集合体全体の構成や機能を調べる解析方法のこと。

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親子のスキンシップが子どもの口腔細菌共有率を高める

ライオングループの研究所は、特定国立研究開発法人理化学研究所生命医科学研究センターの指導の下、次世代シークエンサーにより、乳幼児の口腔細菌叢の形成過程と父母の口腔細菌叢や生活習慣から受ける影響との関係も調べた。

対象は、2015年6月から2016年9月に生まれた乳幼児と親の49組(男子22名、女子27名)で、父親の平均年齢は31.6歳、母親の平均年齢は30.7歳。

乳幼児は、生後1週間、1か月、3か月、6か月、9か月、1歳、1歳半時に唾液を採取し、父母からは子どもが1歳半のときの唾液を採取して、次世代シークエンサーにより親子間の細菌叢比較解析を行った。

乳幼児には生後1週間で口腔内に数十種類の細菌があり、生後6か月頃から菌種が増加し、菌叢が多様化する。

親子間に共通している口腔細菌の比率(共有率)を調査したところ、生後1歳半で、子どもと父親が27.9%、母親とが29.3%のグループと、父親と22.6%、母親と23.0%のグループとに有意の差があった。

そこで、親子間の口腔細菌共有率が高い家族と低い家族各15組について、生活習慣の関連性を解析した。その結果、共有率が高い家族は、保育園に通っていない子ども、スキンシップの頻度が高い子どもだった。

口腔細菌共有の原因は、父親や母親と子どもとの間で唾液の飛沫などが生活環境の中で生じていることだった。したがって、子どもの口腔疾患にかかるリスクを低くするために、両親自身が虫歯や歯周病予防に努め常に健康な口腔状態に保つことが重要となる。

(画像はニュースリリースより)

▼外部リンク

ライオン株式会社のニュースリリース
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