予防や治療に期待!マスト細胞と歯周病の関係が明らかに

歯周病原細菌感染が歯肉粘膜バリアを突破

東北大学大学院歯学研究科・口腔分子制御学分野の多田浩之講師と、口腔診断学分野の西岡貴志助教の研究グループは、最も強力な歯周病原細菌と歯肉のマスト細胞との関係性を見いだし、研究成果を発表した。

マスト細胞は免疫細胞の1つであるが、時に関節リウマチなどの慢性炎症を特徴とする疾患を悪化させることが知られている。しかし最も強力な歯周病原細菌に感染すると、マスト細胞から産生されるインターロイキン-31が、歯肉を維持する粘膜バリアを破壊し、歯周病の悪化に関わるという。

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歯周病における慢性炎症の予防と治療

今回の研究成果は、歯周病原細菌が歯肉粘膜バリアを突破し慢性炎症が引き起こされるメカニズムを初めて解明したものである。

歯周病の症状で1番恐い歯の喪失は、歯周組織の破壊によるもので、その原因となるのは歯周病原細菌である Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)が引き起こす慢性炎症である。

よって同チームは、歯周病による慢性炎症のコントロールを目的とした予防や治療への展開を期待している。気づかないうちに進行していたり、何度も繰り返す炎症を放置していると歯を失ったり全身の健康にも影響を及ぼす歯周病には気をつけたいものだ。

(画像はphotoACより)

▼外部リンク

東北大学
https://www.tohoku.ac.jp/