世界初の試み。歯周病と脳卒中に関する多施設共同研究が開始

研究分野を超えた他施設共同研究で新たな発見を

Cnmとよばれるう蝕原性細菌と脳卒中・認知機能障害との関連を検証する多施設共同研究が、2018年11月1日より開始された。歯の二大疾患であるう蝕・歯周病と脳卒中に関する多施設共同研究は世界で初めてである。

同研究チームは、国立循環器病研究センター脳神経内科部と、大阪大学大学院歯学研究科、広島大学大学院医歯薬保健学研究科で構成されている。

日本全体における脳血管疾患と歯科衛生の関係を検証するには、地域や施設を限定せず症例を増やして研究を行う必要があるため、今回の多施設共同研究に至った。

脳血管の進行原因の1つである動脈硬化では、血管壁のコラーゲンが露出してあり、そこにう蝕菌であるCnm陽性S. mutansが結合することで炎症の原因となり、脳出血を発症させると考えられている。

またこれまでの研究成果では、Cnm陽性S. mutans保菌患者では単語を思い出しにくくなるなど、認知機能障害との関連も報告されている。

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歯科と身体の親密な関係性が明らかとなりつつある

近年歯の健康と身体の健康の関係性が明らかとなってきており、歯周病と心臓疾患・糖尿病など、口腔内のトラブルが全身に及ぼす影響が注目されている。

しかし日本の予防歯科は世界的にみて遅れており、同研究チームはこの研究により脳卒中や認知症などの脳神経疾患と口腔衛生の関係が明らかになれば、日本人の歯科衛生の意識を変えられると考えている。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

国立研究開発法人国立循環器病研究センター
http://www.ncvc.go.jp/pr/release/181101_press.html