世界人口の半分以上、虫歯などの症状があるのに治療を受けずに苦しむ

40億人近くの人々が歯痛を放置

ロンドン大学クイーン・メアリーの研究チームの発表によると、世界の半分以上の人々が治療されていないデンタルの問題に苦しんでいることがわかった。この世界的調査は世界疾病負担(GBD)の一部として集約されたものだ。

GBDで定めた291ある主な病気や怪我のうち、治療されていない虫歯が最も一般的なものと言われていて、世界人口の35%がその影響をうけていることがわかった。

睡眠や食事の妨げとなるような歯痛などを原因とする、治療せずに放置している口内の症状に苦しんでいる人は、世界全体の半分以上、40億人近くにのぼる。この数には軽い虫歯や歯周病は含まれておらず、世界の人々に対してオーラルヘルスがいかに深刻な問題であるか、ということを示している。

技術は進歩しているのに治療は受けない?

現在、虫歯に予防のために改良されてきた製品だけではなく、より多くの人々が虫歯予防のフッ化物やシーラントなどの歯科医術から利益を得ることができるようになっている。それらの技術のおかげで、昔に比べると何百万人も多くの人々が、一生自分の歯とともに生きていくことができるようになっているのだ。現代の歯科技術による手助けがなければ、1860万人以上のアメリカ人が45歳までに自分の歯全てを失うといわれているほどである。

歯科技術は進んで、人々が歯を失うことなく人生を全うできるようになっているにも関わらず、今回のように治療を受けずに歯を失う人もいるとはなんとも皮肉なものである。

▼外部リンク

Global Burden of Oral Conditions in 1990-2010
http://jdr.sagepub.com/content/early/2013/05/23/