⻭周病菌が作る酵素の解明に成功

岩手歯科大学は、多くの成人で検出される歯周病菌「Fusobacterium nucleatum(フゾバクテリウム ヌクレアタム)」に特有の、硫化水素産生酵素「Fn1055」に着目し、この酵素の立体構造と反応機構を世界で初めて明らかにしたと発表した。
研究成果は、英科学誌「Biochemical Journal」に掲載されている。

口臭の原因物質は硫化水素

硫化水素は、歯周病菌が作る「硫化水素産生酵素」により産生される。硫化水素は口臭の原因になるだけではなく、歯周病の悪化につながることが知られている。
つまり硫化水素を産生するこの酵素の解明は、口臭や歯周病への根本的な理解につながるという。

硫化水素産生酵素Fn1055の解明

今回の研究では、硫化水素産生酵素のなかでも、極めて特徴的な反応をするFn1055の構造と反応機構を明らかにした。研究は連続的な追跡のほか、途中で仕掛けを作った中間状態の構造解析にも成功している。

「硫化水素産生酵素特異的な阻害剤の開発に寄与すると考えられ、新たな洗口液成分の開発にもつながることが期待される」

このように研究チームは述べ、今後新たなる歯周病予防や口臭予防に期待できそうだ。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

岩手歯科大学研究
http://www.iwate-med.ac.jp/wp-content/uploads/180301.pdf