虫歯による損傷を修復する生体活性ガラスを開発。商品化も

虫歯などで損傷した歯にミネラルを取り戻す

ロンドンにあるクイーン・メアリー大学(以下QMUL)の研究者グループは、虫歯などで損傷した歯や酸蝕歯を修復できる生体活性(生物活性)ガラスを配合した歯みがき粉を開発したと発表した。

フッ化物の代わりに生体活性ガラス

ガラスは化学的に安定しており、不活性であるとの考えを覆す生体活性ガラスを開発したのは、QMULの研究者チーム。

これまで用いられてきたフッ化物の代わりに歯と骨のミネラルを模倣する化学物質を形成する生体活性ガラスを配合。素早く溶けて虫歯で損傷した歯が失ったミネラルを取り戻すことができるとしている。

またこの生体活性ガラスは歯科用充填剤にも応用が可能で、適用範囲の広がりにも期待できる。

再石灰化歯みがき粉として商品化

研究チームは、現在スピンアウト社であるBioMin Technologies Ltdから、これらの生体活性ガラスをベースとした再石灰化歯みがき粉「BioMinC」を発売している。

近年フッ化物が含有された歯みがき粉を使用したくない人が増えていること、水にフッ化物が添加されている地域もあることから今回の発明は有用であると研究者はみる。

QMULの歯科衛生研究所のロバート・ヒル(Robert Hill)教授は「この歯みがき粉は、酸性飲料を摂取した後に歯から失われるミネラルを取り戻すこともできる。この歯みがき粉を使用することで誰もが潜在的に恩恵を享受できる。」と話している。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

クイーン・メアリー大学(QMUL)のプレスリリース(Science Daily)
https://www.sciencedaily.com/releases/

クイーン・メアリー大学(QMUL)
http://www.qmul.ac.uk/