歯周病リスクと職種間で差があることが明らかにされる
岡山大学は2016年10月28日、歯周病の発症リスクに関して職種間で差があることが追跡調査により明らかとなったと発表した。
なお、今回研究に当たったのは岡山大学病院予防歯科入江浩一講師及び、三重大学そして愛知学院大学による共同グループで、成果は同年10月26日に発行された疫学専門雑誌「Journal of Epidemiology」電子版に掲載された。
歯周病の発症と社会経済的要因との関連性の指摘を受けて
歯周病は、その進行と共に歯を失わせる大きな要因となる一方で、その予防には歯磨きや定期検診等が有効である。
片や、昨今の研究により生活習慣病と並んで職業等に代表される社会経済的要因が、歯周病の発症に影響を与えていることが指摘されていた。
そこで、当該研究チームは愛知県名古屋市を対象地域として、その地域内において歯科検診を受診した男女3,390人を5年間追跡調査した。
運輸及び通信業種等にて歯周病発症リスク高
それによると、男性でのみ職業間で歯周病発症リスクに差が見られた。
詳しく見ると、他の技術的及び専門的業種と比べ運輸・通信業種では2.74倍、販売業では2.39倍、そして労務・生産工程業では2.52倍という高リスクであることが分かった。
これらは全て、高ストレスで休息や睡眠を十分に取れない職種であり、このことから職業由来の高ストレスが歯科保健行動に影響し、歯周病発症の高リスク化へと繋がったと推測されている。
▼外部リンク
歯周病の発症リスクが職種で異なることを発見
http://www.okayama-u.ac.jp/