印刷技術の応用で歯周病治療に新たな光か

印刷技術の応用でさらに複雑な組織構築が可能に

2016年9月13日、2種類以上の異なった細胞を印刷技術の応用したそれにより、必要に応じ積層させることに成功したと国立大学法人東京医科歯科大学が発表した。

なお今回研究にあたったのは、同大学大学院医歯学総合研究科寄附口座ナノメディスン講座所属の、森田郁夫理事率いる研究グループ及び同じく生体材料工学研究所物質医工学分野また、大日本印刷株式会社である。

異種類の細胞同士を印刷技術の応用で積層化させることが可能に

今回行われた研究は、印刷技術の1つである光リソグラフィー技術を応用し無細胞化した羊膜の上に、ガラス基板上に用意された細胞を転写しその上にまた異なる細胞を積層させ培養、これを骨欠損のモデルマウスへ移植することで行われた。

結果、骨再生の増強がみられたのである。

このことは、複雑な組織構造を有する生体における何らかの事由による欠損等の再生治療において、より実際に近い生体組織が再現可能となりひいては細胞移植を簡便にさせると言えるのだ。

歯周病における再生治療も可能に

またこの技術は、術中における移植材料の変形やトリミング等にも対応出来る。

よって、このこととより複雑な組織を再現出来得ることと合わせて鑑みた時、歯根膜細胞と骨芽細胞を組み合わせた移植材料を作り出すことで、入り組んだ組織構成をしている歯を含む周辺構造を再生出来得るのだ。そして、それにより歯周病において再生治療が適用可能となる。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

「印刷技術の応用により異る種類の細胞を積層化して移植することに成功」―新しい概念に基づく細胞移植による再生医療応用への期待―
http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/20160914.pdf