口内フローラを改善させ虫歯等の予防を図る

オーラバリアを含む食品の摂取により口内フローラ改善か

平成28年9月15日、機能性食品素材オーラバリアを加えた食品を摂取した結果、口腔内細菌叢である通称口内フローラが改善される可能性が見いだされたと、森永乳業株式会社が発表した。

なお今回行われた研究は、昭和大学歯学部弘中祥司教授を筆頭とする研究チームと共に行われたものであり、当該研究結果は日本歯科衛生学会第11回学術大会にて発表される。

口内フローラの口内環境や全身への影響を踏まえて

腸内細菌のバランスが体全体の健康を及ぼすことは、昨今の研究により明らかとなっており、こうしたことから腸内フローラという言葉が話題となっている。一方で、先の腸内細菌もこれにあたるが、人の体のあらゆる所には常在菌という細菌が存在しこの常在菌は口内にも存在するのだ。

また、口内における常在菌は腸同様多種多様なものがあり、これらを総じて口内フローラと呼ぶ。そして、これら口内フローラが崩れると虫歯や歯周病を招きやすくなるほか、生活習慣病等のような全身的な健康にも影響を及ぼすことが、今日の多様な研究により指摘されている。

そうしたことから歯周病や虫歯の原因となる菌へ対抗するため、機能性食品素材が様々に作り出されているのだが、それらの持つ口内フローラへの影響については高い解析技術を要することから、ほとんど行われてこなかった。

そこで今回、森永乳業は乳や唾液に存在し口腔衛生や生体防御において働くラクトパーオキシターゼ、及びラクトフェリンをその活性成分とする機能性食品素材オーラバリアを作り出したのだ。

その上で、此度これの口内フローラへの影響について調査するため昭和大学の研究グループと共に、解析にあたったのである。

口腔衛生を悪化させる細菌群を抑制

今回行われた研究では、46名の高齢者をオーラバリアが含まれる錠菓摂取群と、オーラバリアを含まない偽錠菓摂取群に分け彼らに8週間1日3錠を舐めることで、摂取して貰った。そして、次世代シーケンサーにより彼らの口内フローラを解析したのである。

結果オーラケア摂取群において、歯周病の診断基準の1つでもある歯周ポケットの深さやプラーク付着度、また口臭の強さとの相互関係が認められている指標Chao1についてその多様性の低下がみられたのだ。

以上より、当該研究においては口腔衛生の悪化に関係する細菌群の多様性を抑制し、ひいては口内フローラの改善そして歯周病や虫歯の予防等に繋がり得る可能性が、オーラケアにおいて見いだされたのである。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

オーラバリア(ラクトフェリン+ラクトパーオキシダーゼ)配合食品の口内フローラ改善効果~日本歯科衛生学会第11回学術大会発表内容のご報告~
http://www.e-expo.net/pdf