仙台市にある東北大学病院は、4月1日より「東北大学病院歯科インプラントセンター」を新たに開設した。東北地方における、最新の歯科インプラント診療およびその研修の拠点として、活動が期待されている。
近年の歯科インプラント診療には、安全で安心かつ先進的な医療技術提供が求められている。治療に対する不安などの社会的な疑念を払拭し、信頼される歯科インプラント診療を行っていくためには、診療体制はもちろん、インプラント治療の教育、地域支援、研究の発展が欠かせない。
また、高齢化社会の進展に伴い、残存歯数が減少し、歯科インプラントの必要性が上昇している高齢者も多くなっているが、他に全身疾患などを合併しているケースも多く、治療には年々より高度な技術が必要となってきている。東北大学病院の発表によると、こうした背景を受けて、同院の歯科部門にインプラントセンターが開設されることとなったという。
開設された「東北大学病院歯科インプラントセンター」では、インプラント治療に関わる複数の診療科を連携させ、より良質な歯科インプラントチーム医療の提供を可能にしたそうだ。難症例や有病者、高齢者に対しても、さらに安全かつ高度で先進的な治療で対応していくという。
また専用センターとして、インプラント専用手術室、歯科用ユニットを配した個室、CT画像診断、ガイデッドサージェリーおよびCAD/CAMシステムなど、最新の設備を整えた。運用においては、必要に応じ、病院手術室や一般病床なども活用し、医療安全に重点を置いた診療を進めていくとしている。
東北大学がこれまで旗印として掲げてきた「研究第一主義」の精神も受け継ぎ、最先端の臨床研究にも力を入れていくという。さらに、インプラント治療の事故を減らしていくためにも、最新の研究成果、設備および人材を活用し、大学を主体としたインプラント研修を実施して、優れた教育研修システムの開発・提供・実践を目指し、高い診療技術をもった人材育成も進めていく方針だ。同院では、これにより地域医療や日本国内全体の医療に対する大きな貢献が期待できるとしている。
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東北大学病院 トピック&ニュース
http://www.hosp.tohoku.ac.jp/release/861.html