東洋紡が骨再生誘導材の製品化を目指し治験を開始、インプラントへの応用も

骨欠損部に埋入

東洋紡株式会社は4月13日、骨再建材料であるリン酸オクタカルシウム・コラーゲン複合体(OCP/Collagen)について今年6月初旬から歯科・口腔外科領域において治験を開始すると発表する。

この「骨再生誘導材」は東北大学が開発を進めてきたもので、骨欠損部に埋入して、新生骨の形成を誘導させるという次世代の骨再建材料である。

同社は2013年から北大学と共同で、動物実験を行い、各種安全性試験および非臨床試験を実施してきた。

今回の治験では、主に歯のインプラントのための骨再建を対象として、東北大学を主幹施設とした多施設共同治験を行うということだ。

歯槽骨の再建に

骨欠損部とは具体的に、病気や怪我、あるいは老齢化により骨の一部が欠損することで、歯科・口腔外科領域では、歯を支える周囲の骨や顎の骨が欠損し、噛めなくなる、発音が正しくできなくなるなどの障害が挙げらる。

これまで、欠損した骨を再建する治療法としては、患者自身の健常な骨を採取して移植する「自家骨移植」が一般的だった。

骨再生誘導材は、歯科・口腔外科領域において、歯のインプラント治療における歯を支える骨(歯槽骨)の再建への治療が期待でき、これまで必要だった入院治療が必要なくなることに加えて、骨の採取部に傷や痛みが残る心配がなく、患者の負担を軽減できる。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

東洋紡株式会社 ニュースリリース
http://www.toyobo.co.jp/news/2015/release_5427.html