むし歯や歯周病のない老後:介護保険で経口維持支援は増額

2015年度の介護報酬改定

来年度の介護報酬改定に関しては、2.27%の減額が予定されている。

しかし、口腔・栄養管理に関しては増額が予定されている。

1989年より厚生労働省と日本歯科医師会は推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という「8020運動」を推進している。

20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができる、経口投与が可能である。そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まった。

むし歯や歯周病を予防することは「8020」につながる。

フッ素塗布、歯みがきの奨励などの8020運動は、2014年度の学校保険統計調査でむし歯の数が最悪期の約半分になるなど、一定の成果が見られている。

高齢者にとっても、自分の歯で食事を取ることは、生活の質(Quality of Life:QOL)の向上につながり、病気の治り方にも好影響を与える。

介護報酬における口腔・栄養管理

摂食・嚥下障害を有する要介護者や食事摂取に関する認知機能の低下が著しい要介護者に関しては経口維持加算が行われる。

今回の改定では経口維持加算が大幅に増額されている。

経口維持加算を増額したのは、多職種による食事の観察(ミールラウンド)や会議等の取り組みのプロセス、咀嚼能力等の口腔機能を含む摂食・嚥下機能を踏まえた経口維持支援を充実させることが目的。

(画像はイメージです)

▼外部リンク

厚生労働省 第119回介護給付費分科会 資料
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000