唾液の分泌量が低下
鶴見大学の研究グループは、虫歯や歯周病、肺炎などを発症すると考えられるドライマウス(口腔乾燥症)の治療法を研究する中で、玉ねぎに含まれるケルセチンが唾液分泌の促進に効果があることを解明した。

1日に約1.5リットルを分泌する唾液は健康の維持に欠かせず、抗菌作用や消化作用、粘膜保護作用などさまざまな働きをしている。その唾液の分泌量が低下して生じるドライマウスは、近年、中高年を中心に発症する人が増え、国内の罹患者は推定800万から3000万人になるという。
唾液分泌障害は口臭や不快感に加えて、虫歯、歯周病、肺炎などの感染症を発症する報告例がある。その要因としてはストレス、更年期障害、筋力の低下が挙げられる。
唾液の分泌を促進
今回、研究グループは、ポリフェノールの一種で玉ねぎやぶどうに含まれている「ケルセチン」に着目した。
ケルセチンは抗酸化力の他に抗炎症効果や血管拡張作用をもち、虚血性疾患や高血圧症の改善効果がある。さらに、唾液分泌の促進に有効かを調べたところ、唾液分泌障害も改善することがわかった。
今後、ケルセチンの唾液分泌促進効果をインフルエンザの感染症予防につなげる、あるいは機能性食品の開発に役立てることが期待される。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鶴見大学プレスリリース/日経プレスリリース
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