2014年10月27日、ライオンオーラルケア研究所は、分岐鎖脂肪酸「イソステアリン酸」が抗炎症成分トラネキサム酸の吸収促進作用を見いだしたことを明らかにしました。
研究成果は第56回歯科基礎医学会学術大会・総会(福岡:9月25日~27日)で9月26日にポスター発表しています。
(画像はイメージです)
ライオンは、抗プラスミン剤のトラネキサム酸を歯周病予防のために、歯みがき剤に配合しています。
歯周病を予防するためにはトラネキサム酸が歯周組織へ吸収されることが必要です。
トラネキサム酸は水に溶けやすいので、水をはじく性質(疎水性)の角化層を持つ歯周組織への吸収性が良くないという性質を持っています。
この性質を改善するために、現在では「イソプロピルメチルフェノール」を歯みがき剤やデンタルリンスに配合。
さらに、吸収性をあげるために研究を続けたところ、分岐鎖脂肪酸「イソステアリン酸」およびそのエステル「イソステアリン酸フィトステリル」を見いだしたとのこと。
分岐鎖脂肪酸「イソステアリン酸」が口腔粘膜モデルでトラネキサム酸の膜透過量を上昇させることを見いだしました。
この効果の機序を角化層リン脂質二重膜モデルで検討したところ、「イソステアリン酸」が角化層のリン脂質を流動化させることにより、膜透過量を増加させることを示唆。
分岐鎖脂肪酸エステル「イソステアリン酸フィトステリル」は、トラネキサム酸に対してと同様に歯周組織への吸収を促進する可能性を有することが判明。
今後更にトラネキサム酸の吸収促進やトラネキサム酸以外の抗炎症成分の吸収に対する効果を検討するとのこと。
▼外部リンク
ライオン プレスリリース
http://www.lion.co.jp/ja/company/press/2014/pdf/2014090.pdf