全身疾患との関連が指摘される病原菌も
株式会社フレンテ・インターナショナルは、歯周病に関連する細菌が胃液中にも存在することを発見した、と第57回秋季日本歯周病学会学術大会で発表した。
胃液中は強酸性であるため、これまで、唾液中の歯周病原菌を飲み込んでも胃酸で死滅すると考えられていた。
研究グループは、胃酸の分泌を抑える薬剤(プロトンポンプインヒビターやH2ブロッカーなど)を服用した場合、胃液のpHが高くなることに着目し、胃液中に細菌数が増加しているのではと推測した。
唾液と胃液の細菌叢を解析した結果、それぞれの細菌叢が非常に類似していることがわかった。さらに、口腔内だけでなく胃液中にも歯周病に関連する細菌が存在し、しかも P. gingivalisが発見された。これは全身疾患に関連しているのではと指摘されている歯周病の原因菌だ。
口腔内細菌をコントロールする
今回の研究で、口腔内細菌叢が胃内細菌叢の形成に関連していることが明らかになった。つまり、P. gingivalisなどの口腔内の細菌は、消化器官内から全身に影響を与えている可能性があると考えられる。
フレンテは、口腔内細菌叢をコントロールすることで、胃内細菌叢をコントロールできるのではと予測している。つまり胃液中にある病原菌を制御できる可能性がある。
同社では、その方法として、保有している口腔内プロバイオティクスの乳酸菌LS1を用いることを考えている。これによって口腔内細菌叢から胃内細菌叢を制御できれば、消化器官内での発生をある程度抑制できるのではないかと推察している。
さらなる研究の成果が期待される。
▼外部リンク
株式会社フレンテプレスリリース
http://frente.co.jp/news/detail/124_i.html